インド映画のすすめ


皆様、インド映画ってご存知でしょうか?
一昨年くらいからジワジワとファン層を広げ「ムトゥ・踊るマハラジャ」という昨今目にする事がなかった強烈にパンチが効いている(死語)インンパクトの題名の映画のヒットにより一気にファンを広げたあのインド映画です。

えらそうにインド映画を語っている私も実はこの「ムトゥ」でインド映画のとりこになってしまった1人であります(^^;;;
インド映画を何かに例えるなら歌あり、恋あり、笑いあり、涙あり、アクションあり、踊り有りの何でもありの「ちゃんこ鍋」もしくは「ごった煮」状態とでも言いましょうか、芝居の途中にいきなり歌って踊りだすミュージカル濃度を極限まで濃くしたディープさに加え、昔からある子供向けのアクションヒーローもののTV番組に漂うチープさと水戸黄門風の人情ものにホロリとさせられたかと思うとジャッキー・チェン並のアクションがあったりとこれでもか!とばかりにいろんな要素がテンコ盛りされた超娯楽映画。中にはかなり社会派的な内容のものもあるのでしょうが、インドでは映画=娯楽という図式が今だにあって、聞くところによると年間の映画を撮る本数がハリウッド500/年間本数に対してインドは900/年間本数だとか。う〜ん、なんてパワフルなんでしょ>インド映画!

インドの映画界は大きく分けると南北に分かれているそうで、今日本でウケているのは南の方のタミル映画なのですが、そこでのスーパースターが「ムトゥ」「アルナチャラーム」で主演しているラジニカーント(以下ラジニ氏)、カメラ目線でフェロモン・バリバリ、踊る時にゃキレが命の腰をフリフリしながら歌って踊れるインドの俳優には必要なおヒゲがとってもキュート(?)な49歳。
このお方の映画の始めには必ず「スーパースター、ラジニカーント」って画像+テーマソング?(ヘイ!ヘイ!という掛け声つき)が流れるんです。さすが違う!>インド映画!

今回の映画「アルナーチャラム」では興行側もかなりのノリノリ状態で東京で上映している映画館では共通のリピーターカードを作って回数に応じたプレゼントがあったり、劇場に飾ってある実物大の看板に黄金のラジニカーント像(と言っても発砲スチロールにラジニ氏の姿が彫ってあり、金のスプレーでコーティングされたもの)プレゼントまであったりとさすがの私も度肝を抜かれました(笑)
何よりこの像と劇場のポラロイドカメラで撮影するだけで200円も取られるんですよ!(驚)
カメラ持ちこみ撮影は自由無論タダだったらしいですが・・・。

このリピータープレゼントの商品は
2回目:映画特製団扇(ラジニ氏の流し目のアップ)
5回目:主演のラジニ氏の生写真←オイオイ(^^;;;
10回目:映画特製福袋(飾ってあったのを見るとラジニ氏がプリントされてるTシャツがあった)
30回目:本編ビデオほか
100回目:「インドツアー」先着1名
※ このツアーは某大手旅行代理店が主催していて、これまたスゴイ事に「ラジニ氏のお宅訪問(門前まで)」に映画撮影所見学後に映画関係者との夕食会があったり、オプショナルツアーでは「日本人発の試み!!現地にて撮影中の映画にエキストラ出演!!(現地事情により催行できない場合有りとの但し書きつき)」なんてものも盛りこまれてます。旅行代金が¥198,000−という事は100回映画を見た方が安上がりなのね(笑)

聞くところによると神戸の映画館ではサリーを着て行くと1000円で鑑賞できたとか。
「アルナーチャラム」のパンフレットがこれまたノリノリで、A4サイズ程の箱にパンフにポストカード8枚、インドの神様らしき図柄のカード3枚、ラジニ氏の2000年カレンダーに歌詞カードとラジニ氏のイラストシールが1セットになってなんと1000円!だなんて、インド人もビックリ(謎)

肝心要の映画はと言うと個人的には「ムトゥ」の方が面白かったです。インドの政界入りがウワサされているラジニ氏が巨額を使う政治ネタや企業ネタをすると娯楽作品としては楽しめないカナ。恋愛主流の娯楽作品「ムトゥ」の方が楽しめます。

が、装飾されたトラクターをさっそうと運転しながら歌って登場したかと思うと、念力(?)で棒を動かし砂の上に線を書いたり、結婚式でナゾナゾ歌合戦を繰り広げたり、「んな訳ないやろ!」と思わずスクリーンに向かって沢山突っ込みを入れたくなるのに長時間飽きさせずに観客を画面にくぎ付けにしてくれるラジニ氏にはもう脱帽という言葉しか見つかりません!

おっと、そうそう!インドではジーンズにアイロンをあてて履くみたいです。ラジニ氏もそうして履いてましたから(笑)

これはどこの国に対しても言えると思いますが、その国のイメージが強い衣装や風習の方が異文化としてウケると見えて、日本でヒットしている映画では女性はサリー姿が多いです。インドのトレンディ映画らしきものも見ましたがなんか見る側としてはどうしてもインドらしさ(サリーなど)を求めてしまうのよね。日本人が着物で出るとよその国の人が喜ぶのと同じなんでしょうね。

しかし今回「アルナー・・・」の中でとある大企業が出てきた時にOLらしき人が同じサリーを着て仕事をしてました。インドではサリーが制服ってところがあるのだろうか?

インド映画の楽しみ方は歌舞伎や宝塚歌劇にちょっと似ています。 いくつかのお決まり事があって「そういうものなのねぇー」という感覚で見ないと楽しめません(謎笑)
あまり深く考えずに娯楽と割りきって楽しむのがインド映画を堪能するコツかもしれません。創作費何億円をかけたとしても作り出せないであろうハリウッドや日本映画が忘遠い昔に忘れた何かがある気がします。

最近はTVの特集でインド映画を取り上げているものが多いですね。先日、ブラビを脱退(?)したウンナンのナンちゃんとケディがインドで映画に出るなんて放送もしていたり、「shall we ダンス?」の周防監督が取材に行ったり、かの国営放送でも若手のインド俳優の特集を組んだりしてましたからねぇ。そんな中でも女優の小林聡美さんがインド映画のダンスシーンを撮る特番がピカイチに面白かったです。

これで興味を持ったそこのあなた!中には体質にどうしても合わないという方もいるみたいですがまずは見てから面白いかそうでないか判断して下さいナ(^^)
ただ難点は上映時間が長いのよねぇ。3時間くらいはザラらしいっす。「アルナー・・・」では途中で5分間の休憩が入ってました。1本の作品で休憩の入る映画って初体験です>さすがインド映画!

追記:リピータープレゼントのその後を知りたくてネットで検索したところによると、最多鑑賞者はな・なんと46回!!本編ビデオには1歩及ばず無念といったところでしょうか(^^;;ゞ そして看板と黄金のラジニ像はめでたく熱烈なファンに持ち帰られ、部屋に飾られているらしい(爆笑)


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