第2話
〜ぶらり高松〜


【2日目:高松】
 
 そう、私が何故四国に来たのか。それは前回書いた「瀬戸大橋を渡り四国に足を踏み入れたかった」これを達成してしまった今となっては「本場讃岐うどんを食べる」という目標のみである。
 
 何故ここまでここまで讃岐うどんにこだわるかと言うと、以前知人からの情報で「香川には物凄いうどん屋がある」という情報を聞いたからである。その人は車で香川県内のうどん屋を2日で20件近く回ったというツワモノのなのだが、元来うどん好きでうどんはは関西に限る(関東のうどんは食べない)を信念にしている私にとってその話は実に魅力的で関西風味とは又一味違う美味さがあると聞いてから本場の讃岐うどんを食べるというのに憧れていたのである。
 
 その私に火をつけるかの様にたまたま購入したガイドブック「シティマニュアル四国」で讃岐うどんの特集に香川にしかないという"セルフ"という形態のうどん屋の攻略法が載っていて私の琴線をこれでもかこれでもかとソソるのである。そして風のウワサに香川でしか売っていないと聞く密かなブーム本「恐るべきさぬきうどん」「さぬきうどん全店制覇攻略本」が紹介されている。・・・ああ、この本を買って読みたい!うどんを食べたい!これは高松に行くしかない!!という強い欲望に駆られて高松行きを決意したのだった。
がこの本はその後意外なところで再会するのでありました。その話はまたの機会に・・・。

 四国に入り坂出の街を通過した頃から窓の外には「うどん」という看板が目立つ様になった。流石はうどん王国。否応無しに旅人の心と胃袋をときめかす。気分はもう「うどんモード」。うどん以外のしゃぶしゃぶ食べ放題なんて看板が目に入ると「このうどん王国にあって邪道者め!」等と思う身勝手な私。中でも進行方向左側で見かけた立派な農家(確かわら葺屋根だったハズ)らしき建物に小さ目の縦長の旗らしき物に書かれた「うどん」の看板。それ以外のものがが電車から見れないシンプルさが素敵なお店だったのについに店名は分からず終い。ああ痛恨!
 
 そうこうしている内に電車は高松の駅に到着。東京を出発してかれこれ14時間余。心身共にヘロヘロ・・・でもそんな事は言っていられない。この先の予定がまだまだあるのでここでバテている訳にはいなないのだ。

 現在JR高松駅は改装工事をしていていかにも仮設という造りになっていて、その為かどうか分からないがホームから改札までが物凄く遠い。気が遠くなる様な距離を改札に向かう途中で駅の中に入っているパン屋もしくは土産物屋らしき店員のおっちゃんが店のうしろでうどんを食べていた。近くにうどん屋はなかったのできっと持参もしくはどこかから出前でもしたのだろうか。やはり「香川県では昼食の定番といえばうどん」というのは本当だったのか・・・と勝手にうどんに対する香川県人の意気込みを感じこれから食べる本場の讃岐うどんに思いを馳せるのであった。

 改札を降りると構内に本屋があって、目的の品「恐るべきさぬきうどん」と「うどん攻略本」を早速入手する。「恐るべき・・・」は全3巻だったのが、この夏に第4巻が発売されていたのを知らなかったのでなんだか徳をした気分である(我ながら単純)。
 
 長い事電車に揺られていて前の晩はあまり寝ていない状況でまったく土地カンのない場所に立ち、いざ目的地に行こうと思っても頭が冴えず道に迷ってしまった。それもそのはず先に書いた理由に加え朝から何も食べていなかったのだ。しかし、目指すうどん屋までなんとかたどり着かねば!と気力を振り絞りなんとか目的の店にたどり着く。
 
 ここはネットで讃岐うどんを調べていた時にあるサイトに引っかかったとある人のオススメの店として掲載されていた店なので失敗はあるまいとそこに決め、やっとも思いでたどり着き店内に入った。
・・・・・・・・・それから15分後、私は店を出た。

 期待が大きすぎたのか、はたまたタイミングが悪かったのか思うようにうどんを堪能できないまま支店長オススメの品物を食べ、足早に店を後にした。そして足早に最寄りの琴平電鉄の駅に向い、高松築港駅経由で高松駅から岡山へトンボ返りしてしまいました。とほほ・・・。

−続く−


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