街の散髪屋VS美容室

 このごろは、ずっと美容室に通っていて、いわゆる理髪店、「散髪屋さん」には近頃いったことがない。女性客の中にど〜んと入っていく勇気が必要なのは、何年経っても変わらないが、散髪屋にない心地よさがあるので、どうも悩みながらも行ってしまうのである。とりあえず、何が気持ちいいかっていうと、頭を洗ってくれるときが一番いい。散髪屋も頭は洗ってくれるが、作業の一貫としかいいようのない、ごしごしとまるで雑巾を洗っているときの力加減できれいさっぱり洗髪してくれる。これはこれですっきりしていいのだが、気持ちいいか?と聞かれると、やっぱり「ちょっと痛い(^^;」としか、答えようがない。その点、美容室では、頭皮のマッサージに近い気持ちよさがある。そのまま眠ってしまうこともしばしば。それほど気持ちがいいっていうことだ。基本的には、やはり美容室が好きである。

 美容室は「お客は美容師につき」、散髪屋は「お客はお店につく」といわれる。美容室では、自分の担当の美容師が他の店に変わったりすると、その美容師のいる違う美容室にまた通うようになる。もしかすると、これが美容師の鼻を高くしている理由なのかもしれない。このごろはカリスマ美容師などと、大々的にマスコミでも取り上げられて、その有名美容師は1ヶ月先まで予約でスケジュールが埋まってしまっているという。本当に腕のいい美容師はそれでいいと思う。ただ、その有名美容師を夢見ているのか知らないが、完璧に勘違いをしている美容師もいる。

 最近、僕の住んでいる地域で、急激に美容室が増えている。僕がこの京田辺市に移り住んでから約8年が経過しようとしているが、この間だけでも10軒以上の新しい美容室が出来ている。反対に新しい理容室が増えたという話は聞いたことがない。需要の変化の仕業なのか、それはよくわからないが、とりあえず異常でさえある。それでいて、僕が通ってもいいなと思う美容室が1軒もないというのが問題である。早い話が、へたくそなのである。いや、へたくそだと書くとこれは語弊があるかもしれない。へたくそ、というより、技術もさることながらそれに付随する何かが足りないのかもしれない。これがその、マスコミで騒ぎ立てているカリスマ性というものなのだろうか?

 美容室に行くと、よくしゃべりかけてくる美容師がいる。僕ははっきりいって、楽しい会話をするために美容室にやってきているのではない。静かに頭を刈ってもらうためにやってきているのだ。つまらない世間話に相づちを打ったり、たわいないプライベートな質問に答えている時間があれば、眠らせて欲しいと思うわけである(笑)。作り笑いをするのも苦痛である。無愛想な美容室も困るが、愛想がいいのにもほどがあると僕はいいたい。

 最後に、僕が知っている中で、一番腕がいいと思っている美容室は、やはり京都の「mod's Hair」かもしれない。


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